クロニクル
創刊ベルリンの会議室で引かれたアフリカの地図は、まだインクも乾かぬうちから諸列強の野心を刺激している。カイロからケープへ、西アフリカの海岸からコンゴの奥地まで、未だ誰の手にも落ちぬ土地をめぐって砲艦と踏査隊が先を争い、スーダンの陥落とゴードンの死はロンドンの議会で血の記憶として燻り続けている。真の火種はアフリカそのものより、そこに投影された欧州の均衡——英仏の角逐、独露の腹の探り合い——にこそ潜んでいる。
the powers大英帝国: エジプトを「一時的に」占領しケープから各地に点在する広大な版図を支配し、人口3600万、歳入110億、軍艦240隻、常備軍21万を擁して海上覇権により全ての拡張を監視する。
the powersフランス: 西アフリカからサハラにかけて野心的な回廊を築きつつあり、人口3800万、歳入80億、軍艦130隻、兵50万をもって英国への雪辱と威信回復を狙う。
the powersドイツ: わずか一年で東アフリカから西アフリカにまたがる植民地網を一気に築き上げた新興の帝国で、人口4700万、歳入90億、兵45万を背景にベルリンの外交術で諸列強を手玉に取る。
the powersロシア帝国: カザフスタンから黒海沿岸、バルト諸地域までを束ねる広大な帝国で、人口1億1000万、歳入70億、軍艦80隻、兵80万を擁しアフガニスタン方面と黒海海峡の双方に目を光らせる。
the powersオスマン帝国: 中東から北アフリカにかけてなお広大な領土を保持する「瀕死の病人」と呼ばれる旧帝国で、列強の分割欲の前にその版図の切り売りを強いられつつある。
the powersオーストリア=ハンガリー: 中欧に多民族の帝国を構える古豪で、バルカンの火種とロシアの南下に神経を尖らせながら海外植民地競争には一歩遅れている。
the powersポルトガル: アンゴラとモザンビークを結ぶ「赤い地図」の夢を掲げる古参の植民帝国で、国力は列強に劣るものの旧権益の死守に固執する。
your standingロシア帝国よ、貴国はカザフスタンからウズベキスタン、ウクライナ、ポーランドに至る広大な版図を擁し、人口1億1000万、歳入70億、軍艦80隻、常備軍80万という大兵力を誇るが、南のペルシアとアフガニスタン方面、そして黒海を隔てたオスマン帝国との境界には絶えず緊張が走っている。アフリカ分割そのものは貴国の主戦場ではないが、英国のインド防衛線への圧力、バルカンでのオーストリアとの角逐、そして極東における清国との国境という形で、ベルリンの取り決めは必ず貴国の利害に波及するだろう。南進か、バルカンでの発言力強化か、あるいは極東への布石か——貴国がどの方角に帝国の重みをかけるかは、まだ何も定まっていない。