アメリカ合衆国
創刊1939年8月1日、ダンツィヒをめぐるドイツの要求とポーランドへの英仏保証が、ヨーロッパを戦争の瀬戸際に押しやっている。モスクワでの英仏ソ交渉は停滞し、ベルリンが東方で別の取引を探る余地を残したまま、収穫の季節と動員表が同時に秋を指し示している。最も発火しやすいのはダンツィヒ回廊であり、次いで満州国境での日ソの衝突が静かに燃え続けている。
the powersドイツ国: オーストリアとチェコの地を併合し、イタリアと鋼鉄協約を結んだベルリンは、ダンツィヒ返還を公然と要求しつつポーランド侵攻計画を練り上げている。
the powersイギリス: フィジーからケニア、スーダン、ジャマイカまで四十以上の領土を抱える大英帝国は、人口五億一千万、軍九十万を擁し、ポーランド独立の保証人として再軍備を急いでいる。
the powersフランス共和国: チャド、セネガル、マリなど広大なアフリカ植民地を含む二十八の領土を持つフランスは、軍九十万を動員しつつ、マジノ線の背後でドイツの出方を見極めている。
the powersソビエト連邦: カザフスタンからウクライナまでユーラシアに跨る十一の領土と二百万近い兵力を持つソ連は、英仏の提案とベルリンの誘いの両方を秤にかけ、なお態度を明かさない。
the powers大日本帝国: 朝鮮半島と台湾を領し、百七十万の兵を持つ日本帝国は、中国大陸での戦いを続けながら、満蒙国境でソ連軍との消耗戦に血を流している。
the powersイタリア王国: リビアからエチオピアまで地中海と紅海に跨る領土を持つイタリアは、軍五十八万を擁し、鋼鉄協約の下でベルリンに歩調を合わせる構えを見せている。
the powersアメリカ合衆国: 本土とプエルトリコ、フィリピンを領するアメリカは、人口一億四千八百万、国内総生産九百二十億ドル、軍三十四万を背景に、中立法の壁の内側で欧州の行方を注視している。
your standing貴国は本土のほかプエルトリコとフィリピンを領し、安定した内政と世界最大級の経済力、三十四万の兵力を基盤に持つが、北にはカナダを介して英帝国と、南にはメキシコという隣人と接している。中立法が貴国の手を縛る一方、大西洋の彼方では英仏とドイツの緊張が、太平洋の彼方では日本の大陸進出が、それぞれ貴国の選択を静かに待っている。武装を進めるか、法を改めるか、あるいは静観を貫くか――この八月、貴国の進路はまだ誰にも書かれていない。