ユーゴスラビア
創刊1936年1月、ヨーロッパの平和は見かけ上保たれているが、イタリアのエチオピア侵攻がジュネーヴの集団安全保障体制を揺るがし、ドイツの再軍備宣言がヴェルサイユ体制の前提を侵食している。バルカン半島では小協商と枢軸陣営のいずれにも属さぬ中小国が、イタリアとドイツ双方の影響力拡大を警戒しつつ、互いの旧敵対関係ゆえに結束を欠いている。
the powersユーゴスラビア: セルビアを中心とする南スラヴの統合国家として、ハンガリーとブルガリアの修正主義的要求に神経を尖らせながら、イタリアの対岸進出とバルカン協商内での発言力維持を模索している。
the powersイタリア王国: ムッソリーニの率いるファシスト政権は、エリトリアとイタリア領ソマリランドを足場にエチオピアへ侵攻を続けながら、国際連盟の制裁下で財政と輸送路の制約に苦しみつつ、本国では海軍拡張を推し進めている。
the powersイギリス: 世界に広がる帝国航路と艦隊基地を擁する大国として、地中海でのイタリアとの対立、ロンドン海軍軍縮会議の難航、そして欧州本土の安全保障のあいだで戦力の分散を強いられている。
the powersフランス共和国: 徴兵による大陸随一の陸軍とマジノ要塞線を持つラヴァル政権が、金本位制維持の緊縮財政と国内の政治的分裂を抱えつつ、ポーランドおよび小協商諸国との同盟網を維持しようとしている。
the powersルーマニア王国: プロイェシュティ油田を抱えるカロル2世の王国は、ドイツ市場への石油輸出で外貨を得る一方、ソ連のベッサラビア要求とハンガリーの国境修正要求の板挟みで、小協商を通じた安全保障を頼みとしている。
the powersハンガリー: トリアノン条約による領土喪失の記憶を抱える修正主義国家として、軍備は小規模ながら、ユーゴスラビアやルーマニアに対する国境回復の希望を外交の軸に据えている。
the powersギリシャ: ゲオルギオス2世の王政復古とデメルジス政権のもと、バルカン協商の一員として地中海の海運と島嶼防衛に意を用いるが、王党派と自由主義派の内部対立を抱えている。
the powersオーストリア共和国: シュシュニック率いる小規模な軍を持つ権威主義的な「団体国家」が、国内のナチス勢力の脅威とイタリアの独立保証の不確かさの間で揺れ動いている。
your standing貴国ユーゴスラビアはセルビアを中核とする統合王国として出発し、北にハンガリーの修正主義、東にブルガリアとの未解決の緊張、西にイタリアの海上進出という三方からの圧力を抱えている。バルカン協商とルーマニア・チェコスロバキアとの小協商の枠組みは貴国の安全保障の柱だが、国内の民族的・政治的結束の弱さと軍備の限界が、これらの同盟を実効あるものにできるかを左右するだろう。今はまだ火花の飛んでいない均衡の中で、貴国がイタリアとの関係修復に動くか、フランス・イギリスとの連携を深めるか、国内統合を優先するかという選択が、この先の数年の行方を形づくっていく。