クロニクル
創刊永禄三年夏、天下は誰ひとり号令せぬまま、五十七の家が各々の国を切り取っている。東では今川義元が二万五千を率いて尾張の織田を呑み込まんとし、近江では六角に叛いた浅井が兵を構え、京では三好長慶が将軍の名を借りて実を取る——この夏、近江・伊勢・山城の境目で次の火種が生まれようとしている。
the powers六角家: 観音寺城に拠り南近江を領する名門で、浅井の離反を赦さず軍を興そうとしているが、北の朝倉・浅井同盟と西の三好という大国に挟まれた立場にある。
the powers浅井家: 十五歳の浅井賢政を当主に戴く小谷城の若き家中で、六角の軛を脱したばかりの新興勢力、朝倉との旧誼を頼みに自立を目指す。
the powers朝倉家: 越前一乗谷に拠る富裕な名族で、加賀の一向一揆を国境で抑えつつ、若狭武田・浅井への影響力を広げようとしている。
the powers三好家: 摂津芥川山城を本拠に畿内七か国を事実上領する当代随一の実力者で、河内の畠山高政を討って版図を固めんとしている。
the powers北畠家: 伊勢・志摩を治める公家出身の大名で、北伊勢四十八家を傘下に引き込もうと画策する一方、武力はその家格に比して大きくはない。
the powers室町幕府: 将軍足利義輝が京に戻り諸家の和議を仲介する権威を保つが、実際の兵力は数百に過ぎず、京を牛耳る三好家の掌中にある。
the powers伊賀惣国一揆: 服部・百地ら在地領主が誓約で結ぶ自治の国で、特定の主君を戴かず、諸大名に傭兵として技を売りつつ侵入者には一致して刃を向ける。
your standing六角家は南近江五十四万五千石を領し、兵一万三千を動かせる大身だが、北近江では臣下だった浅井が離反し、南では伊賀の自治衆、西には朝廷と幕府を擁する京の三好という大勢力が控えている。浅井を討って旧領を取り戻すか、朝倉との対立を避けて和を結ぶか、あるいは幕府・三好との関係に活路を求めるか——この夏の選択が近江の行く末を決めることになろう。