クロニクル
創刊永禄三年夏、天下は将軍の名のみを戴き、実を結ばぬまま五十八の家が各々の国を切り取っている。尾張では今川の大軍が織田の砦を落とさんとし、河内では三好が畠山を攻め、近江では浅井が六角への臣従を脱したばかりで、山陰では尼子と毛利が石見銀山を争う——どの火種も将軍御所のある山城にまで煙を届かせている。
the powers三好家: 摂津芥川山城を本拠に畿内に七カ国を擁する当代随一の実力者で、将軍を奉じながらも実権を握り、この夏は河内の畠山高政を攻めて三万の軍勢を動かしている。
the powers今川家: 駿河・遠江・三河三国を治める東海道随一の大名で、今川義元自ら二万五千を率いて尾張に乱入し、大高・鳴海を固めて織田家を押し潰さんとしている。
the powers北条家: 伊豆・相模・武蔵を領し小田原を本拠とする関東の雄で、検地と税制に優れた統治を誇り、二万を超える兵で里見の久留里城を攻めている。
the powers武田家: 甲斐・信濃を抑える武田信玄が、金山と分国法を背景に一万五千の兵を養い、海津城を築いて長尾家との信濃争奪戦に備えている。
the powers毛利家: 安芸吉田郡山城の毛利元就が、厳島合戦以来中国地方四カ国を束ね、一万七千の兵で尼子領石見銀山への侵攻を進めている。
the powers尼子家: 出雲月山富田城に拠る尼子晴久が、山陰五カ国と石見銀山を擁して一万四千八百の兵で毛利の侵攻に備えている。
the powers大友家: 豊後府内の大友義鎮が将軍より九州探題・六カ国守護に任ぜられ、三万五千の軍勢とポルトガル貿易の富を背景に北九州に号令している。
the powers室町幕府: 山城一国二十二万五千石のみを直に治める将軍家で、諸大名が奉じる名のみの権威として、兵千五百をもって辛うじて京を守っている。
your standing室町幕府殿——貴家が直に治めるのは山城一国、石高二十二万五千、動員し得る兵はわずか千五百、御所の威信も地に落ちて久しい。南には三好が河内の畠山を攻め、北東には伊賀の惣国一揆が独立不羈を保ち、近江では六角が浅井を討たんとしており、いずれの争いも将軍の裁可を求めて使者を京へ送ってくるであろう。貴家に兵力の道はなく、残された道は権威そのもの——官位、御教書、調停、養子縁組——を武器として、どの家に名分を与え、どの家に見限られるかを定めることだけである。